紫外線対策
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紫外線には、ビタミンDを合成し骨を強くする作用や細菌・ウイルスを殺菌する作用がありますが、紫外線を浴びることによって起こる健康被害も指摘されています。
美容面で問題になるのが日焼けによるしみ・そばかすです。また、紫外線には酸素を活性化させることで、肌のコラーゲンにダメージを与え、シワの原因にもなります。
そんな厄介な肌のトラブルですが、きちんとした知識を身につけることで防ぐことが可能です。
大切な肌を守るためにも知っておきたい紫外線の基礎知識をご紹介。また日焼け止めの選び方や食事による紫外線対策についても解説します。

紫外線の種類と影響

紫外線は、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分けられます。

UV-A

UV-Aは波長が長く、さまざまな物質を通過する力が強い紫外線です。窓ガラスや雲なども通り抜けるため、曇りや屋内で過ごしていても油断できません。
短時間で肌の状態が変わるといった変化は起こしませんが、表皮を通過して真皮まで届くことで、じわじわと肌にダメージを与えます。
40代頃からシミ、シワ、たるみが目立つようになるのはUV-Aの影響です。

UV-B

UV-Bは波長がUV-Aに比べて短く、主に肌の表面に働きかけ、日焼けや炎症の直接の原因になります。
皮膚の表面に炎症を起こし、肌が黒くなる状態を引き起こすもので、短時間浴びても肌を赤くしたり、熱っぽくしたりして、メラニンを増加させ黒くするのです。
このほかにもシミやそばかすを引き起こし、皮膚がんの原因にもなります。
ただし、波長が短い分窓ガラスに阻まれやすいという特徴もあります。

UV-C

紫外線の中でも波長が短いのがUV-Cです。オゾン層によって吸収され地表まで届くことはありません。
肌に直接当て続けると火傷のような症状がでてきて、目に当たると角膜炎や結膜炎を引き起こしてしまいます。
人体に大きな影響を与える一方、細菌やウイルスに対して殺菌効果があることで知られています。

光老化とは

紫外線を浴びると肌は光老化が起こります。
光老化とは紫外線を浴びた肌がダメージを受けてシミやシワ、たるみなどが起こることです。
紫外線が肌に侵入すると、弾力を保つためのコラーゲン(膠原繊維)やエラスチン(弾性繊維)が破壊されます。その結果、肌の弾力性が低下してたるみやシワが起こるのです。
紫外線に対する防御反応として肌の色が濃くなるため、シミにもつながりやすいので注意が必要です。
加齢による老化との違いですが、加齢による老化は皮膚の厚さや肌の色は薄くなりますが、光老化は皮膚が厚くゴワゴワになり色が濃くなるという特徴があります。
加齢による老化は年齢を重ねることで起こりますが、光老化は紫外線を浴びた時間と強さに比例して現れるのも特徴です。

紫外線は上から降ってくるだけではない

紫外線は空高くから降ってくるような印象がありますが、それだけではありません。
反射光や散乱光による紫外線も注意する必要があります。

反射光とは

反射光とは文字通り、周囲のモノに当たった日光が反射して届く光のことです。
夏場の強い日差しに対して「照り返しが強い」と感じることがありますが、これが反射光です。
地面に限らず壁などを経由して届く光にも紫外線は含まれています。

散乱光とは

散乱光とは日光が空気中に含まれる無数の分子や粒子に当たり、反射した光のこと。
日常生活で意識することは少ないですが、実は空が青く見えるのは散乱光によるものです。
空が青く見えるのは、空気中の分子や粒子が当たった可視光のうち、青の成分が最も強く散乱するためです。
例えばビルとビルの間の薄暗い日陰の場所でも、ビルの間から青空が見えていればその場所には散乱光が届いていることになります。
散乱光にも紫外線は含まれているので、どこでも日焼け対策は必要なのです。

紫外線対策の基本

紫外線対策の基本は日焼け止めを塗ることです。ただし、それだけでは紫外線から肌を完全に守ることはできません。日焼け止めの選び方やその他の紫外線対策について紹介します。

日焼け止めの使用方法

普段から日焼け止めを塗っているのに日焼けしてしまう場合、塗り方に問題があるかもしれません。
日焼け止めを塗る際はタイミングが大切です。
家にいても日焼けする場合、朝のスキンケア時に日焼け止めを塗っておきましょう。
出かける前のタイミングに日焼け止めを塗ると、肌にきちんとなじまず、洋服にこすれて日焼け止めが落ちてしまい、十分な効果が得られない恐れがあります。
日焼け止めを化粧下地として塗っている場合でも、日焼け止めと化粧のもちをよくするため、少し時間を置いてファンデーションを塗ることをおすすめします。
また、日焼け止めは汗や水で流れてしまうので、こまめに塗りなおすことが大切です。
天候や季節関係なく、毎日日焼け止めを塗る習慣を作るようにしましょう。

効果的な塗り方

日焼け止めは正しく使わないと効果がありません。以下のポイントを押さえて日焼け止めの効果を引き出しましょう。

少し多いと感じる量を塗る

日焼け止めは十分塗らないと効果がないため、少し多いと感じるくらいの量を塗るようにしましょう。
塗る場所の面積によって必要な量は異なるので、何度か塗って適量を確認してください。

全身をムラなくなじませる

日焼け止めはムラなく塗ることが大切です。ムラがあると、薄くなったところが日焼けしやすく、シミやシワ、たるみの原因となります。
顔に塗るときは両頬、おでこ、鼻、あごに日焼け止めを置いて、円を描くようになじませてください。顔を包み込むように塗るとムラになりにくくなります。
忘れがちな耳や襟元、背中、胸元も丁寧に塗りこみましょう。紫外線は照り返しによって全身に影響を受けるためです。

日焼け止めの選び方

日焼け止めは色々な種類があり、商品によってSPF値(UVーBを防ぐ)やSA値(UV-Aを防ぐ)が異なります。数値が高いものを選べば安心と感じるかもしれませんが、日焼け止めは生活シーンにあわせて選ぶことが大切です。
近所を散歩したり、買い物に出かけたりと日常生活においてはSPF・PAともに低くても構いません。
SPF10~20、PA+~++の日焼け止めでも十分な効果が得られます。
注意したいのは家にいるときでも紫外線対策は必要です。家の中であってもUV-Aは窓ガラスを通過して室内に入ってくるため、屋内でも日焼け止めを塗って紫外線対策を行いますしょう。
長時間の外出の場合、SPF20~40、PA+++~++++の日焼け止めがおすすめです。
汗で流れたり、タオルで拭き取ったりすると落ちてしまうので、こまめに塗りなおすことは忘れないようにしましょう。

帽子で紫外線カット効果はあるのか

帽子だけですべての紫外線をカットできるわけではありませんが、直射日光を防ぐことは紫外線対策にとって必要不可欠です。
帽子をかぶるなら、UVカット加工の帽子を選ぶようにしましょう。
紫外線対策に効果的な色として黒やグレーがありますが、熱を吸収しやすいデメリットがあります。とくに日差しの強い日は頭に熱がこもりやすくなるので、暑さ対策としてUVカット加工の帽子がおすすめです。
また、顔や首元にかかる紫外線を防ぐため、つばの広い帽子を選びたいところです。つばの長さが、10cmが最適で、10cm以上になると紫外線カット率はあまり変わらないといわれています。

日傘で紫外線を遮る

紫外線をカットするだけではなく、熱中症対策としても有効なため、日傘を利用する人が男女問わず増えました。日傘は晴雨兼用、男性用などデザインや機能性も多様化しています。
日傘を選ぶときのポイントとしては、基本的に明るい色ほど紫外線を通しやすく、暗い色ほど紫外線が通りにくいと言われています。
そのため、紫外線対策に一番適した色は黒といえるでしょう。白は光を反射して紫外線をカットするのに対して、黒は吸収して紫外線をカットします。
ただ、最近の日傘にはUVコーティングや遮光シートなど紫外線遮光加工が施されているので、色によって大きな違いはあまりなくなっています。

サングラスの有効性

肌だけではなく目も紫外線の害を受けます。
通常、目の外側にある角膜や内側にある水晶体が紫外線を防いでいますが、大量の紫外線を浴びることで目も日焼けしてしまいます。
日焼けすると炎症が起こり、充血やまぶしさなどの症状が出てくるので、UVカット機能がついたサングラスを利用するようにしましょう。
ただし、色の濃いサングラスは瞳孔が開きがちになり、レンズ周辺からの紫外線を多く浴びてしまうので、薄めの色のレンズを選ぶようにしてください。

日焼け後のケア方法と製品の選び方

日焼け対策も大切ですが、うっかり日焼けしてしまった場合のケアはかなり重要です。
日焼けした肌をそのままにしておくと、肌トラブルを引き起こしてしまうので注意しましょう。

日焼けした部分を冷やして保湿

日焼けして赤くなってしまった場合、まずは冷やすようにしましょう。
日焼けは肌の乾燥を引き起こす原因となるため、化粧水で水分を与えるほか、痛みや水ぶくれがあるようなら皮膚科を受診するようにしてください。
日焼けは紫外線によってダメージを受けた状態です。十分に保湿し、肌の乾燥を防ぎましょう。
水分と油分のバランスをきちんと整え、肌に刺激の少ないアイテムがおすすめです。
また、ビタミンA、C、Eを積極的に摂取し体の内側から整えていきます。
とくにビタミンCはメラニンの生成を抑え、色素を薄くする効果があるため、意識的に摂取したいところです。

まとめ

紫外線対策は毎日行うことが大切です。今はシミやシワがなくても年齢を重ねるうちに肌トラブルが目立ち始めます。
また、間違った紫外線対策だと紫外線は十分に防げません。正しい方法を身につけましょう。
天候や季節関係なく、毎日対策をしてシミやたるみのない肌を保ってください。